紬(つむぎ)の音読み
チュウ。
漢語音で、主に熟語内で用いられます。
紬(つむぎ)の訓読み
つむぎ。
きもの用の絹織物(紬織)や、その布地を指します。
※動詞「つむぐ」は通常紡を用いて「紡ぐ」と書きます。
紬(つむぎ)の成り立ち(字源)
形声文字。
「糸(糹)」が糸・布・織物に関わる意味を示し、
「由」が音(チュウ)を表して、糸で織った布=紬の意味を表します。
古くは「玉糸(節のある糸)」など素朴な風合いの絹布を指しました。
紬(つむぎ)の漢字構成
いとへん+由。
紬(つむぎ)の発音(日本語)
つむぎ:〔標準語・東京式アクセント〕平板型(0)。/tsɯmɯɡʲi/。
チュウ:/tɕɯː/。単独で読む場面は少なく、熟語のパターンによりアクセントは変化します。
紬(つむぎ)の意味
① 紬織の絹布。玉繭などから取った糸で織る素朴な風合いの布。
② その布地・生地全般(着物・帯・小物など)。
③ 人名・地名用字(例:紬(つむぎ)という名前)。
紬(つむぎ)の言葉一覧(用例語彙)
- 紬(つむぎ):紬織の布・着物。
- 紬織(つむぎおり):節のある糸で織った絹織物。
- 紬糸(つむぎいと):紬に用いる糸。絹糸
- 紬地(つむぎじ):紬の生地。
- 大島紬(おおしまつむぎ):鹿児島県奄美群島などの高級紬。
- 結城紬(ゆうきつむぎ):茨城・栃木を産地とする高級紬。
- 琉球紬(りゅうきゅうつむぎ):沖縄の伝統紬。
- 久米島紬(くめじまつむぎ):沖縄県久米島の紬。
- 置賜紬(おきたまつむぎ):山形県南部の紬の総称。
- 牛首紬(うしくびつむぎ):石川県白山市周辺の伝統紬。
- 塩沢紬(しおざわつむぎ):新潟県南魚沼市塩沢地区の紬。
紬(つむぎ)の例文
・祖母から受け継いだ大島紬の着物を、晴れの日に袖を通した。
・結城紬は軽くて暖かく、素朴な艶が魅力だ。
・落ち着いた紬地の名古屋帯が、無地の小紋によく合う。
・職人の手しごとが生きる紬織のストールは、季節を問わず重宝する。
・子どもの名は「紬」。糸を重ねて縁(えにし)を織りなす願いを込めた。