音読み
フ。
(語によって「ゲツプ=月賦(げっぷ)」などの連語音をとります。)
訓読み
(一般的な訓読みはなし)。
ただし用法として 「賦す(ふ・す)/賦する(ふ・する)」=割り当てる・授ける・課す が用いられます。
成り立ち
形声文字。
左の「貝」は貨財(お金)を表し、意味を担います。
右の「武」は音(フ)を示すとともに、権威・力によって割り当てる=課すという含意を添えます。
このため「税を課す」「負担を割り振る」「性質を授ける」といった語義が生まれました。
漢字構成
貝へんに武(貝+武)。
部首:貝(貝へん)/総画:15画。
発音
音読み「フ」の音価は IPA [ɸɯ](無声両唇摩擦音+狭母音)。
複合語例:賦課(ふか)・賦与(ふよ)・天賦(てんぷ)・月賦(げっぷ)。
意味
- 課す・割り当てる(税や負担を課す)
- 授ける・付与する(性質・資格・役割などを与える=賦与)
- (古典)詩文の一体「賦」(情景を叙する文体)
- (近代語)分割払い(月賦)
- 専門語:賦活(活性化),賦形(成形),賦存(鉱物などの存在)
※「賦与」は「内在的な性質・資格などを授ける」ニュアンス、
「付与」は物理的・制度的に与える一般語で、使い分けに注意。
言葉一覧
- 賦課(ふか):税や負担を課すこと。
- 賦課金(ふかきん):特定目的のために上乗せして徴収する金。
- 特別賦課(とくべつふか):臨時・特定の対象に対する賦課。
- 賦税(ふぜい):税。租税の古称。
- 賦与(ふよ):資格・性質・権能などを授け与えること。
- 天賦(てんぷ):天から授かった資質・才能(例:天賦の才)。
- 月賦(げっぷ):月々の分割払い。
- 賦役(ふえき):労役を課すこと(歴史用語)。
- 賦活(ふかつ):機能を活性化すること(免疫賦活など)。
- 賦形(ふけい):所定の形に成形すること(賦形剤=錠剤用の基材)。
- 賦存(ふそん):資源などが存在・賦存していること(賦存量)。
- 賦詩(ふし)/詠賦(えいふ):詩を作ること・賦の文体で詠むこと。
例文
市は老朽化した橋の改修費を賄うため、特別賦課金の導入を検討している。
新制度は各チームに明確な権限を賦与し、責任の所在をはっきりさせた。
彼女には天賦の歌声があると言われ、幼い頃から注目を集めてきた。
研究では免疫賦活作用を持つ成