苅るの音読み
ガイ/カイ(まれ)。
※漢字「苅」は常用漢字外で、実用上は「刈」の音読み(ガイ/カイ)と同系です。
苅るの訓読み
か・る。
現代日本語では通常「刈る」と書くことが多い表記です。
苅るの成り立ち
会意兼形声(艸+刈)。
「艸(草)」の意符に、「刈(音符〈乂〉)=刃物で切る」を組み合わせ、草を刈り取る意を表します。
「苅」は「刈」の異体字(俗字)として生じ、主に古文書・人名・地名で用いられます。
苅るの漢字構成
⿱艹刈(草冠+刈)。
部首は艸部、画数は7画。
苅るの発音
音読み:/ɡai/(ガイ)、/kai/(カイ・まれ)。
訓読み:/kaɾɯ/(かる)。
苅るの意味
① 草木・穀物などを刃物で切って取り収める(=刈る・刈り取る)。
② 切る・断つ。
③(古) 殺す・討つ(文献語義)。
注意:一般的な表記は「刈る」です。実用文では「苅る」は避け、「刈る」を用いるのが無難。
苅るの言葉一覧(用例・関連表記)
● 苅り入れ(=刈り入れ):稲などの収穫作業。
● 草苅り(=草刈り):雑草を刈る作業。
● 人名・地名に残る例:苅谷(姓:かりや/かりたに)、苅田(地名:かんだ/かりた)、苅宿(かりやど)、苅屋(かりや)、苅安賀(かりやすか)。
※ 実務・教育では「刈」表記(刈る/刈り取る/草刈り 等)が標準です。
苅るの例文
・台風の前に、田んぼの稲を苅ることにした。
・朝の涼しいうちに、空き地の雑草を苅ってしまう。
・一帯の牧草を苅り終え、飼料の準備が整った。
・神事に先立ち、社叢の下草をきれいに苅り取る。
・稲を苅る音が、秋の里に軽やかに響く。
※現代表記では「刈る/刈って/刈り取る」と書くのが一般的です。
苅ると刈るの違いは?
結論:意味は同じですが、表記の標準・使われ方が違うと考えてください。
● 刈る… 現代日本語の標準表記。
常用漢字で、一般の文章・教育・公用文ではこちらを使います。
● 苅る… 常用漢字外の異体字(「刈」の別字)。
古文書・看板・人名や地名(例:苅田〈かんだ/かりた〉、苅谷〈かりや〉など)に残る表記で、通常の文章ではあまり用いません。
成り立ちの違い(字形的な差)
「刈」は「刃で切る」の意から広く〈かる〉を表す字。
「苅」は草冠+刈で、もともと〈草を刈る〉イメージが強い字形です(意味機能は現在「刈」と同じ)。
読み・意味
読みはどちらも か・る(訓)/ガイ(音)。
意味も共通で、草木・穀物・髪などを切り取ること。
使い分けの目安
迷ったら「刈る」が正解。
固有名詞(姓・地名・社名など)で「苅」が定着している場合のみ、そのまま「苅」を用います。
具体例
標準表記:草刈り/刈り入れ/芝を刈る/髪を刈る。
固有名詞:苅田町、苅谷 などは「苅」を用いる。
校正・実務の注意
公用文・学校・ビジネス文書では、原則「刈」に統一。
ワープロ変換では「かる→刈る」が既定。
固有名詞は表記揺れ防止のため、公式表記に必ず合わせる。