枢の音読み
スウ。
※資料によっては人名などで まれに別読み が挙がることがありますが、一般語では「スウ」が基本です。
用例:中枢・枢要・枢軸 など。
枢の訓読み
かなめ(要・中心の意)。
古訓:とぼそ(戸の回転軸)/くるる(蝶番・軸を指す古語)。
枢の成り立ち
形声文字。
「木」が“木製の部材(戸や蝶番)”を表す意符、「区」(旧字は「區」)が音を表す音符です。
意味は“戸を開閉する回転軸=かなめ”から転じて「中心・中核」。
旧字は「樞」、新字体が「枢」です。
枢の漢字構成
きへん(木)+「区」。
部首:木。 画数:8画(枢)/15画(樞)。
枢の発音
音読み「スウ」:IPA [sɯː]。
訓読み「かなめ」:IPA [kana̠me]。
古訓「とぼそ」:IPA [to̞bo̞so̞]/「くるる」:IPA [kɯɾɯɾɯ]。
※アクセントは複合語(例:中枢・枢要)で語ごとに異なります。
枢の意味
- かなめ(要)・中核・中心を指す語。例:国家の中枢、組織の要枢。
- 戸の回転軸(蝶番)。古語でとぼそ/くるる。
- 天文:天枢(北斗七星の一つ〈おおぐま座α星・ドゥーベ〉)。
枢の言葉一覧(よく使う熟語)
- 中枢(ちゅうすう):組織の中心・神経の中枢。
- 枢要(すうよう):きわめて重要。
- 要枢(ようすう):要となるところ。
- 枢軸(すうじく)/枢軸国:中心となる軸/歴史用語。
- 枢密(すうみつ)・枢密院(すうみついん):国家の重要機密/機関名(歴史)。
- 枢機(すうき)・枢機卿(すうききょう):要職/カトリック教会の高位聖職者。
- 戸枢(こすう):戸の回転軸(蝶番のかなめ)。
- 天枢(てんすう):北斗七星の第一星。
枢の例文
- この部署は会社の中枢を担っている。
- 新製品の成否は、物流と購買という要枢の連携にかかっている。
- 彼はプロジェクトの枢要なポジションに就いた。
- 夜空に北斗七星が澄み、天枢までくっきりと見えた。
- 古民家の戸は戸枢がゆるみ、開け閉めのたびに軋んだ。
- 枢機卿は教皇選挙の選挙人として重要な役割を担う。
- 「流水腐らず戸枢蝕まず」ということわざの通り、動き続けることは健全さを保つ。
ことわざ:流水腐らず戸枢蝕まず(つねに動くものは澱まず腐らない)。