音読み(おんよみ)
リョウ
※日常語では訓読みが主流で、音読みは人名・地名・文献語で見かける程度です。
長音に注意:「りょう(Ryō)」と伸ばして発音します。
訓読み(くんよみ)
むく(椋・ムクノキのこと)
例:椋の木(むくのき)/椋鳥(むくどり)
ポイント:植物名・鳥名に結びつく訓が定着しています。
成り立ち(字源・語源)
形声文字。
意味を表す「木」偏+音を担う「京」の組み合わせ。
「木」に関わる語(樹木)であることを示し、声符「京」が音価の手掛かりを与えます。
要点:“木に関する字”であることが一目で分かる構造です。
漢字構成
きへんに京(木+京)です。
発音(IPA・アクセントの目安)
訓:むく → IPA:[mɯ̟kɯ]
音:りょう → IPA:[ɾʲoː]
東京式の目安:むく(平板)/りょう(平板)として発音されることが多いです。
※アクセントは話者差・語境によって揺れます。
意味
① ムクノキ(椋):ニレ科ムクノキ属の落葉高木。街路樹・神社境内木としても見られます。
② 椋に関するもの:椋の木材・実・並木などを指す用法。
③ 派生的用法:地名・人名に用いられる字。
覚えておくと便利:「椋鳥(むくどり)」は椋の実を好むことに由来します。
言葉一覧(用例語彙)
・椋(むく):ムクノキのこと。
・椋の木(むくのき):ムクノキの個体・樹。
・椋鳥(むくどり):スズメ目ムクドリ科の鳥。群れで行動し、市街地にも多い。
・椋並木(むくなみき):椋を並べて植えた並木道。
・椋陰(むくかげ):椋の木陰(文語的)。
・椋実(むくのみ):椋の実。
例文
① 神社の境内には、椋の木が堂々と枝を広げていた。
② 夕暮れ、椋鳥の群れが駅前の並木に戻ってくる。
③ この通りは春になると椋並木が柔らかな新緑に包まれる。
④ 祖父は、椋の実を拾って子どもの遊び道具にしていたと懐かしむ。
⑤ 集落の入口には、目印となる大きな椋が一本立っている。