音読み
コ。
例:事故(じこ)・故意(こい)・故障(こしょう)・故郷(こきょう)。
訓読み
ゆえ(理由・わけの意)。
用法:故(ゆえ)に=「だから/それゆえ」、故(ゆえ)あって=「事情があって」、故(ゆえ)なく=「理由もなく」。
成り立ち
形声文字。
「古」が音を表し、「攵(のぶん)」が「行為・出来事」を示すとされます。
原義は「ことの起こり・理由」で、そこから「ゆえに(理由によって)」「故人(亡くなった人)」などの意味に派生しました。
漢字構成
部首:攵(のぶん)。
構成:古+攵。
画数:9画。
発音(IPA・ローマ字)
音読み:/ ko /(ローマ字:ko)。
訓読み:/ jɯe /(ローマ字:yue)。
意味
1)理由・原因(ゆえ)。
2)以前からの・旧来の(「故郷」の「故」など、古くからの縁を含意)。
3)亡くなった(例:故田中氏=「亡くなった田中氏」)。
4)出来事・事故(語構成上の〈事+故〉で「事故」)。
注意:「故い」という表記について
「故い」は現代日本語では一般的でなく、誤記と見なされやすい表現です。
「ふるい」は通常古い(場合により旧い)と書きます。
また「故意(こい)」は「わざと」の意で、形容詞「濃い」とも動詞「恋う(こ)」とも異なります。
言葉一覧(主要な熟語)
- 事故(じこ):思いがけず起こった不幸な出来事。
- 故意(こい):わざとすること。意図的。
- 故障(こしょう):機械などが正常に働かないこと。
- 故郷(こきょう)/古里(ふるさと):生まれ育った土地。
- 故人(こじん):亡くなった人。
- 故国(ここく):自分の国。祖国。
- 故事(こじ):昔の出来事・由来話。
- 故典(こてん):昔から伝わる典籍。
- 故なく(ゆえなく):理由もなく。
- 故あって(ゆえあって):事情があって。
- 故に(ゆえに):だから。それゆえ。
例文
(理由・接続)
努力が不足していた、故(ゆえ)に結果が伴わなかった。
(事情)
故(ゆえ)あって、しばらく実家に戻ります。
(理由なし)
人を故(ゆえ)なく疑ってはならない。
(故意)
彼は故意にルールを破った。
(故障)
突然の故障で、作業が中断した。
(故郷)
長期休暇には故郷へ帰省する。
(故人)
式では故人を偲んで黙祷が捧げられた。