● 音読み(オンヨミ)
シュン(春)。
一般語彙ではほとんど用いませんが、字源・季語解説の文脈で示されることがあります。
● 訓読み(クンヨミ)
さわら。
日常ではカタカナ表記の「サワラ」も多用されます。
● 成り立ち(字源・由来)
「魚」を表す偏に、春の字を合わせた会意兼形声。
春に旬を迎える魚であることから「鰆」と表記されるようになりました。
関西では春告魚(はるつげうお)とも呼ばれ、季節感を伝える魚名として定着しています。
● 漢字構成
「魚へん」+「春」。
ご指定のとおり、魚へんに春で構成されます。
● 発音
仮名:さわら(サワラ)。
ローマ字:sawara。
IPA:[saɰaɾa]。
アクセントは標準語で平板傾向(会話や地域で変動あり)。
● 意味
- サバ科の海水魚(一般に「サワラ」)。日本近海に広く分布し、身は淡白で上品な味。
- 旬は春(地域差あり)。「春を告げる魚」として歳時記にも登場。
- 料理名や漁業用語としても用いられる漢字表記。
● 言葉一覧(用例・関連語)
- 鰆の西京焼き:白味噌床に漬けて焼いた料理。
- 鰆の幽庵焼き:醤油・酒・柚子などのタレに漬けて焼く和食。
- 鰆の刺身/たたき:新鮮な個体を薄造りや炙りで。
- 鰆漁(さわらりょう):鰆を狙う沿岸漁業。回遊期に盛ん。
- 鰆の旬:春を中心に旨味が増す時期。
- 春告魚(はるつげうお):春の訪れを象徴する魚の呼び名(鰆を指すことが多い)。
● 例文
- 今朝の市場で鰆が豊漁だと聞き、夕食は西京焼きに決めた。
- 脂がのった鰆の刺身は、口の中でやさしくほどける。
- 関西では、鰆は「春告魚」として季節の便りに数えられる。
- 旬の鰆は皮目を軽く炙ると香りが立つ。
- 地元の祭では、鰆漁の安全と豊漁を祈る神事が受け継がれている。