音読み
シ。
例:屍骸(しがい)・屍衣(しい)・死屍累々(ししるいるい)。
訓読み
しかばね。
口語表現では「生ける屍(いけるしかばね)」などに用います。
成り立ち
部首の「尸(しかばね)」は、人が横たわる姿を象(かたど)ったもの。
「屍」はその意を強めて、死体・なきがらを表す会意的な字とされます。
漢字構成
⼫(しかばね)。
部首:しかばね(尸)/ 画数:9画 / 常用外。
発音
訓読み「しかばね」:し・か・ば・ね(4モーラ)。
音読み「シ」:単音節で、語中では連濁せず清音のまま読まれます(例:屍衣(しい))。
意味
① しかばね・死体・なきがら。
② 比喩:活力を失った状態(例:生ける屍)。
③ 多数の遺体が横たわるさま(成句:死屍累々)。
言葉一覧(用例・熟語)
- 屍(しかばね):死体・なきがら。
- 生ける屍(いけるしかばね):生気を失った人のたとえ。
- 死屍累々(ししるいるい):屍があまた横たわるさま。
- 屍骸(しがい):遺体・なきがら(やや文語的)。
- 屍衣(しい):遺体に着せる衣。
- 屍骨(しこつ):遺骨。
- 屍解(しかい):仏道・道教で、形を捨てて解脱する意の語(文語・典籍語)。
例文
- 徹夜続きで、彼は生ける屍のような顔をしていた。
- 戦いの跡には死屍累々たる光景が広がっていた。
- 発掘現場からは古代人の屍骨が見つかった。
- 「屍を越えて行け」という言葉には、覚悟を促す強い響きがある。
- 遺体には丁重に屍衣がかけられていた。
※ 日常語では「死体(したい)」の方が一般的で、屍は文語的・修辞的な響きが強い語です。