鮗の音読み
音読み:なし(国字のため一般的な音読みは定着していません)
鮗の訓読み
訓読み:このしろ(コノシロ)
鮗の成り立ち
会意:「魚」+「冬」。
冬に漁獲が盛ん・脂がのる時季の連想からできた字とされ、日本で作られた国字に位置づけられます。
鮗の漢字構成
魚へんに冬(部首:魚、総画:16)
鮗の発音
- かな:このしろ
- ローマ字:konoshiro
- 参考IPA:/ko̞noɕiɾo/(目安)
- 英名:Dotted gizzard shad
鮗の意味
ニシン目ニシン科の海水魚「コノシロ」を表します。
出世魚で、シンコ → コハダ → ナカズミ → コノシロと呼び名が変化。
成魚(コノシロ)は晩秋〜冬に脂がのり、酢締めや姿寿司などで親しまれます。
鮗の言葉一覧(関連表記・語)
- 鮗(このしろ)…本字。
- 鰶(このしろ)…祭(まつり)に供えられた故事からの表記。
- 鯯(このしろ)…古い文献に見える表記。
- 鱅(このしろ)…異表記。
- 小鰭(こはだ)…コノシロの若魚。江戸前寿司の定番。
- 新子(しんこ)…最も若い時期の呼称。
- ナカズミ…中型期の呼称。
- このしろ寿司/このしろの姿寿司…各地の郷土寿司(久美浜・八代海など)。
鮗の例文
① 冬の港に鮗(このしろ)が揚がり、店先が一気ににぎわった。
② 出世魚の鮗は、若いほど値がつく—新子や小鰭は寿司種として人気だ。
③ 祖母は秋祭りにこのしろの姿寿司を作ってくれた。
④ 焼くよりも酢締めにした鮗のほうが、身の旨みが引き立つ。
⑤ 旧字では鰶・鯯・鱅とも書かれ、文献によって表記が異なる。