訃の音読み
フ(fu)。
主に漢語系の語(熟語)で用いられる読みです。
訃の訓読み
(一般的な訓読みはなし)。
まれに古風な表現で「しらせ」と訓じる用例が指摘されますが、現代日本語では訃報(ふほう)・訃告(ふこく)など音読み語が中心です。
訃の成り立ち
形声文字。
「言(ことば・知らせ)」が意味を担い、
「卜(ト:音符)」が音を示す構成とされます。
そこから「死去を言葉で知らせる」意が生まれました。
訃の漢字構成
ごんべん(言偏)+ ト(卜)。
偏旁の働き:
・言偏=言語・告知に関わる意。
・卜=音符としての役割(語の音価に関与)。
訃の発音
音読み「フ」は日本語音韻で[ɸɯ]に近い無声両唇摩擦音+狭母音。
語中ではふほう(訃報)= /ɸɯ hoː/、ふこく(訃告)= /ɸɯ ko̞kɯ/のように続きます。
※実際のアクセントは地域差があります。
訃の意味
① 死去の知らせ(訃)。
② 死去を告げること(訃する)(文語的)。
現代日本語では「訃報」「訃告」として公的・社交的な通知に用いられます。
訃の言葉一覧
・訃報(ふほう):死去の知らせ。
・訃告(ふこく):遺族・所属団体などが公に行う死亡通知。
・訃(ふ)(文語):訃報の意。例「訃に接す」。
・訃を伝える(文語的言い回し):死去を知らせる。
訃の例文
・このたびはご訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
・社内ポータルに故人の訃告が掲載された。
・突然の訃に言葉を失う。
・遺族より正式な訃報が届き、通夜と葬儀の日程が案内された。
・古い新聞の訃告欄を資料として参照する。